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結城紬について

結城紬は、わが国最古の歴史を有する高級絹織物です。
 その歴史は古く奈良時代まで遡ります。 当時、常陸国の特産物として朝廷に上納された布(あしぎぬ)は紬の原形とされ、現在、奈良・正倉院に保管されています。やがて「常陸紬」と呼ばれ、室町時代には結城家から幕府・関東管領へも献上されたことから「結城紬」と名を変えました。
 結城紬は中世以後、結城家が守り育みましたが、江戸初期、十八代秀康の転封後、伊奈備前守忠次が改良に努め、「結城縞紬」として広くその名が知られるようになりました。
 以後長年にわたり多くの先人による創意工夫によって成長してきた本場結城紬は、昭和31年に国の「重要無形文化財」に、昭和52年には「伝統的工芸品」に指定されています。

結城紬の主な製造工程

*3,11,21は、国の重要無形文化財に指定された工程です。

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国の重要無形文化財に指定されている工程

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●糸つむぎ
 「つくし」という道具に真綿を巻き付け、手でつむいで「おぼけ」と呼ばれる桶に糸を入れていきます。たて糸、横いと等、種類によって違った太さで、かつ太さのムラなくつむがねばなりません。普通、糸と言われるものは強い撚りをかけて丈夫に補強されているものですが、結城紬の糸は世界に類を見ない無撚糸です。この技術の修得には、数年の修行が必要です。
 一反分の糸量をつむぐには、2〜3ヶ月間を要します。

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●絣くくり
 特殊方眼紙に設計されたデザインをもとに、糸にすみつけを行いその箇所を綿糸で口と手を使って硬く縛ります。
 柄が複雑なものほど、縛る場所は増え、一般に絣くくりだけで3ヶ月位、精巧なものになると限りがありません。

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●はた織り
 地機という最も原始的なはた織機で織り上げます。労力も時間もかかる製法ですが、機に張るたて糸を腰当てに結びつけ、腰の力で張り具合を調節するので、手つむぎ糸の弾力あるやわらかさを生かし、織る時に無理な張力をかけません。
 一方よこ糸は、筬(おさ)で打ち込んだ後にさらに樫材でできた重さ600g、長さ約55cmの杼(ひ)でさらに打ち込みます。
 一反織るのに早い人で1ヶ月位、高級品になると1年以上かかるものもあります。

※「重要無形文化財結城紬」の商標を得るには、<手つむぎ><絣くくり><地機織り>の三つの条件を満たさねばならず、その他に幅・長さ・打ち込み数や模様ずれなど十六項目についての厳しい検査に合格しなければなりません。

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